今日は、ウナギのお話し。
みんなは、ウナギ、好き?
ウナ丼とか、ひつまぶしとか。
とてもおいしいし、食べると元気が出るよね。
日本で食べられるウナギのほとんどは、養殖(しょうしょく)されたウナギ。
つまり、人間の手で育てられたウナギだ。
養殖といっても、ウナギの赤ちゃんが生まれるところから育てているわけではない。
ウナギの生態にはナゾが多く、タマゴを産ませたり、生まれたばかりの赤ちゃんを育てたりすることは難しい。
だから、海から子供のウナギをとってきて、それを人間の手で育てている。
ところが、最近、海でとれる子供ウナギの数が、とても減ってしまっている。
それにともない、養殖ウナギの数も、減っている。
子供ウナギがもっと増えないと困っちゃう。
そう考えた漁師さんたちは、養殖で育てたウナギを、海にはなしたりしている。
ところが、この養殖ウナギには、ひとつ大きな問題が。
それは、そのほとんどがオスだということ。
人間は、生まれる前から、男なのか女なのか決まっている。
ところが、ウナギは、そうじゃない。
赤ちゃんの時は、みんな一緒で、オスもメスもない。
大人に育っていく途中で、オスになるウナギと、メスになるウナギに分かれていくんだ。
養殖で使う子供ウナギは、まだオスでもメスでもない状態。
養殖用の水そうの中で育つうちに、オスになったりメスになったりする。
自然の中で育ったウナギは、オスとメスが半分ずつくらい。
それなのに、養殖で育てたウナギは、90パーセント以上がオスになる。
メスは、ほとんどいない。
これでは、子供ウナギを増やそうと養殖ウナギを海にはなしても、お父さんばかりということになる。
お母さん、つまりメスのウナギがいなければ、たぶん、子供も生まれない。
これは、困った。
それにしても、いったい、なぜ養殖ウナギはオスばかりになるんだろう?
その理由は、ずっとわかっていなかった。
ここで、朝日新聞の記事。
『ゆっくり育てるとメス増加』 朝日新聞
養殖だとオスばかりになるウナギ。
そのナゾが、ついに解明されたらしい。
キーワードは、「ゆっくり育てる」こと。
養殖のウナギは、なるべく早く成長するように、30度くらいの高い水温の中で育てられる。
水温が高いと、その成長も早く、半年もすればりっぱな大人になる。
愛知県西尾市(にしおし)。
2013年から15年にかけて出荷したウナギの数は、667匹。
このうち、616匹がオスで、メスは49匹だけ。
これらのウナギには、早く成長させるために高い水温で育てらたウナギと、一年かけてゆっくりと育てたウナギが混ざっていた。
そして、そのウナギたちをくわしく調べたところ・・・。
高い水温で早く育てられたウナギは、全部オス。
ゆっくりと育てられたウナギは、オスとメスが半分ずつくらい。
そんなことがわかったんだ。
早く育てようとすると、ウナギがストレスを感じて、メスになるために必要なものがそろわないんだって。
さて、これでメスのウナギを育てる方法はわかった。
メスをたくさん育てて、海にはなすことができれば、子供ウナギの数も増えるかも。
養殖ウナギのこれからに、期待したいね。
写真は、ウナギ。ウィキペディアより。
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