トランプ大統領~1国家でも2国家でもって、どういうこと?

RAKUTO豊田校

2017年02月25日 06:00

『トランプ氏、「2国家共存」こだわらず イスラエル首相と会談 』 日本経済新聞

アメリカのドナルド・トランプ大統領。
ひとつの発言が、大きな話題になっている。

その発言とは、「2国家でも1国家でもいい。」というもの。
なんの話かといえば、イスラエルとパレスチナというふたつの国について。


第二次世界大戦で、ドイツからしいたげられたユダヤ人たち。
当時、イギリスのものであったパレスチナに、移り住むようになる。

パレスチナには、ユダヤ教やキリスト教の聖地とされる、エルサレムがある。
だから、たくさんのユダヤ人が、この場所をめざした。

一方、むかしからパレスチナに住んでいたアラブ人たちは、これに反抗。
ユダヤ人対アラブ人のあらそいが、はげしくなってきた。


1947年、イギリスが、パレスチナを手放し、ユダヤ人対アラブ人のあらいごとの解決を、国際連盟(こくさいれんめい:国連)に任せることにした。

国連は、「パレスチナ分割決議(ぶんかつけつぎ)」というお約束事を決めた。
パレスチナを、アラブ人の国とユダヤ人の国に分けて、2つの国を作ろうというものだ。

もともとパレスチナに住んでいたアラブ人たちからしたら、「どうして?」と言いたくなるような決定だけど、この時期、世界の多くの国が、ドイツによってしいたげられていたユダヤ人に同情していたみたい。


1948年5月14日。
「パレスチナ分割決議」のお約束事にのっとり、ユダヤ人たちは、新しい国を作る。
イスラエルの誕生だ。

アラブ人たちは、これに反発。
第一次中東戦争(だいいちじちゅうとうせんそう)が、起こってしまう。
アラブ人たちからすると、「2つの国なんて、とんでもない。ここは、おれたちが昔から住んでいた場所なんだ。」って感じだったんだろうね。


その後も、たくさんの戦争をへて、力を持ったイスラエル。
ユダヤ人をパレスチナに送り込み、どんどん勢力を拡大しはじめた。


1988年11月、今度は、パレスチナが国として独立を宣言(せんげん)する。
こちらも、「パレスチナ分割決議」のお約束通り。

しかし、国とよべるような場所はもっておらず、首都もイスラエルの支配するエルサレムとした。
結局、パレスチナは、国とよべるような国には、なっていない。

こうして、長い間、イスラエルとパレスチナの間に横たわっているのが、「ふたつの国問題」だ。


今年2017年2月15日。
イスラエルの大統領ネタニヤフさんが、アメリカをおとずれた。
目的は、トランプ大統領をお話しすること。

この話し合いの中で、トランプ大統領は「(イスラエルとパレスチナは)2国家でも1国家でもいい。」と話したとのこと。

「ふたつの国問題」について、今までのアメリカの大統領は、ずっと、「2つの国がいっしょに仲良くしていくしかない。」という考えだった。
それを「ひとつでもいい」と話したトランプ大統領。

今年になって、新たにパレスチナへ人を送り込む準備をはじめていたネタニヤフ大統領。
このトランプ大統領の言葉を聞いて、どう思ったんだろう?
みんな、想像してみてね。


参考記事
『イスラエルとパレスチナ、なぜ争う?』
http://rakuto-toyota.jp/e267039.html
『破かれたアンネの日記!?』
http://rakuto-toyota.jp/e263825.html
『杉原千畝の功績って?~まずは第一次世界大戦について』
http://rakuto-toyota.jp/e396664.html
『杉原千畝の功績って?~なんで二回目の世界戦争が起きちゃったの?』
http://rakuto-toyota.jp/e396672.html
『杉原千畝の功績って?~お次は第ニ次世界大戦について』
http://rakuto-toyota.jp/e396765.html
『杉原千畝の功績って?~命のビザ』
http://rakuto-toyota.jp/e397265.html

写真は、パレスチナに送り込んだユダヤ人を、周りのアラブ人などから守るためにつくられた壁。ウィキペディアより。




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