めざせ世界遺産~奄美大島で問題となってい動物は?

RAKUTO豊田校

2018年05月10日 06:00

2017年1月。
日本では、新しく2つの世界遺産(せかいいさん)を、世界遺産委員会に推薦(すいせん)した。

そのひとつが、「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」。
江戸時代、日本ではキリスト教が禁止されていた時期がある。
その時、キリスト教を信じている人たちの多くが、長崎県の天草(あまくさ)に集まって、こっそりとキリスト教を信じていた。
潜伏(せんぷく)キリシタンとは、その人たちのこと。
天草には、潜伏キリシタンの人たちが残した遺産が、たくさんあるんだ。

そして、もうひとつが、「奄美大島、徳之島、沖縄島北部および西表島」だ。
奄美大島(あまみおおしま)をはじめとした奄美群島(あまみぐんとう)や、沖縄県の西表島(いりおもてじま)などでは、世界でもめずらしい自然を目にすることができる。
有名なのは、イリオモテヤマネコ。
アマミノクロウサギ。
そして、ヤンバルクイナ。
世界でも、ここでしか見ることのできない、めずらしい動物たちだ。

ところが。
2018年5月、世界遺産委員会から、「奄美大島、徳之島、沖縄島北部および西表島」について、世界遺産にするのは難しいかも・・・と言われてしまった。
理由はいろいろあるんだけど、豊かな自然をきちんと守ることができないのでは?というのが、大きな理由のひとつらしい。
そして、朝日新聞には、こんな記事が。

『世界遺産めざす奄美 野生化の××は邪魔者?』 朝日新聞


奄美大島では、とある野生の動物が、奄美にすむアマミノクロウサギたちの邪魔(じゃま)をしているらしい。
「野生化(やせいか)」ということは、もともとは野生ではなく、人に飼われていたりした動物だよね。
その動物が、アマミノクロウサギなどを食べてしまうんだって。

ここで、想像タイム。
奄美大島で、大切なアマミノクロウサギを食べてしまう動物。
もともと野生のものもいるけど、人が飼っていたものが、山や森にすみつくようになったものも多い。
いったい、どんな動物だと思う?

ヒントは・・・
みんなもよく知っている動物だよ。
家で飼っている人も、多いんじゃないかな。
ライオンやトラの仲間でもあるよ。



・・・



答えは、ネコ。
今、奄美大島では、野生化したネコが、アマミノクロウサギなどの大切な動物を食べてしまうようなことが、たくさんおこっている。

これから世界遺産に登録してもらおうと思っている時に、これでは困る。
そこで、日本では、ネコを捕まえるためのワナを設置。
対策にのりだしたわけなんだけど、ここでひとつ、大きな問題が。

それは、捕まえられるであろうネコたちが、すべて野生のものではないということ。
野生ではなく、野生化したネコもたくさん捕まるはずだ。

人に飼われていたものが、野生にかえって生きている。
こうしたネコのことを、ノラネコという。
一方で、もともと野生でくらすネコは、ノネコとよばれる。

ノネコもノラネコも、飼い主がいないというところは同じ。
しかし、食べているものなどで、区別できる。

人間に近いところでくらしていて、人間がすてたものなどを食べているのが、ノラネコ。
人間にかかわることなく、山や森で、自分でエサを捕まえて食べているのが、ノネコ。

捕まえたネコたちをどうするかというと、普通に考えれば殺処分(さつしょぶん)、つまり殺してしまうことになる。
ところが、ノラネコは、そうはいかない。

日本には、動物愛護法(どうぶつあいごほう)というのがあって、ペットとして飼われていた動物たちを簡単に殺してしまうことはできない。
今回のワナ設置についても、動物愛護にかかわる人たちからは、「捕まえたネコをどうするのか、きちんと考えてほしい。」という要望が出ているんだって。

とはいえ、アマミノクロウサギたちは守らなければいけない。
ネコを捕まえるのはいいんだけど、捕まえたネコたちをどうするのか。
なかなか難しい問題だね。
みんな、何かよいアイデアはない?

写真は、昔仕事でおとずれた奄美大島。豊かな自然がたくさん(^^)/




⇒RAKUTOの理念
⇒コース/料金
⇒説明会/体験授業
⇒レッスンの様子はこちら

関連記事