1995年1月17日、朝5時46分。
近畿地方で、大きな地震が発生した。
阪神・淡路大震災だ。
神戸市をはじめ、震度7の揺れにおそわれた阪神地方では、たくさんの建物がくずれおち、多くの命が失われた。
この地震で亡くなった人は、6434名。
そのうちの80パーセントにあたるおよそ5000人は、くずれ落ちた建物の下敷きになって亡くなった。
10パーセントにあたるおよそ600人は、倒れた家具などの下敷きになって亡くなった。
地震の多い日本では、家やビルなどを建てる場合、地震に耐えることができるものでなければならない。
日本の政府は、1982年、建物を建てる時の約束事をまとめた法律「建築基準法(けんちくきじゅんほう)」に、建物が大きな地震に耐えることができるようにすることを、新しい約束事として追加した。
ところが、阪神・淡路大震災が発生した当時は、この1982年以前に建てられた家やビルが、まだまだたくさんあった。
こうした家やビルがくずれおちてしまい、たくさんの人々の命をうばうことになったんだ。
この結果をうけて、日本では、古い建物を地震に耐えられるように補強する、「耐震化(たいしんか)」が話題となった。
そして、「建築物の耐震改修の促進に関する法律」という法律ができて、みんなで耐震化に取り組むことになった。
また、家具の下敷きになってしまった人がたくさんいたことを受けて、タンスや本だなを壁に固定するための道具がたくさん発売されて、たくさんの人がそれを取り付けた。
大きな地震でたくさんの命が失われたことは、もちろん悲しいことだ。
でも、その震災でどんな被害が出たのかを分析して、次の地震に備えることも大切だよね。
阪神・淡路大震災は、建物の耐震化や、家具を転倒防止などがいかに大切なのかを、僕たちに教えてくれた。
それから16年後の2011年3月11日、2時46分。
今度は、関東・東北地方を中心に、大地震が発生する。
東日本大震災だ。
この地震で亡くなった人は、15891名。
そのうちの90パーセントにあたるおよそ14000人は水死。
これは、地震の後に太平洋沿岸をおそった、大きな津波によるものだ。
建物や家具の下敷きになって亡くなった人は、1パーセント以下で、およそ660人。
阪神・淡路大震災とくらべると、格段に少ない。
地震の特徴のちがいもあるけれど、阪神・淡路大震災の教訓がいかされたことも、少なからずあったと思われる。
では、東日本大震災が僕たちに残してくれた教訓とは、何なのか?
一番大きなものは、自分の命は自分で守ろうとすることが大切だということ。
東日本大震災では、地震の後に津波警報が出された時、多くの人が「どうせ、たいしたことないだろう。」とたかをくくって、逃げることをしなかった。
これが、被害を大きくしてしまったんだ。
何かが起こった時、まずは自分の責任で逃げる事。
そして、普段から、「何かがおこったら、自分はどうやって行動したらいいのだろう?」と考えて、心構えを持つこと。
これが大切なんだということを、教えてくれた。
『自分の命は自分で守れ』
http://rakuto-toyota.jp/e276196.html
他にも、津波を受け止めるための防波堤(ぼうはてい)を強くしたり、津波がやってきても大丈夫な高い場所に家を建て直すなど、いろいろな対策がなされている。
東日本大震災は、津波のこと以外にも、教訓を残してくれた。
今、日本では、30年以内におこるだろうといわれている首都直下地震(しゅとちょっかじしん)に備えて、どうやったら被害を減らすことができるのかを議論している。
その中にも、東日本大震災の教訓がいかされることになりそうだ。
ちょっと長くなったので、今日はここまで。
続きは次回。
阪神・淡路大震災や東日本大震災が残してくれた教訓は、ここで紹介しているもの以外にもいろいろあるよ。
まずは、想像してみてね。
想像できたら、本やインターネットで、調べてみよう。
写真は、阪神・淡路大震災で倒壊した建物。ウィキペディアより。
この地震の後、たくさんの人が、家具などをしっかりと壁にとめることをしたはずだけど、最近はどうなんだろう?
みんな、自分の家に、倒れそうな家具はない?
その家具は、しっかりと補強してあるかな?
家族の人と一緒に、見直してみよう。
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