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もののしくみ研究室

2015年04月17日 06:00  学び~理科学び~社会

気体を使ってクリーンな発電~問題点は?(その2)

昨日は、水素を使って電気を作るというお話をしたよ。

『気体を使ってクリーンな発電~問題点は?』
http://rakuto-toyota.jp/e313989.html

今日は、その続き。

今、日本では、火力発電所が大活躍。
燃料をがんがん燃やして電気を作る火力発電所。
そこからは、たくさんの二酸化炭素が出される。

地球温暖化のひとつの原因ともいわれる二酸化炭素。
できることなら、たくさん出したくない。

そこで最近注目されているのが、水素。
水素を使うと、二酸化炭素を出さずに、発電することができる。

しかし、水素による発電には、まだまだ問題がある。
主な問題点としてあげられるのが・・・

<水素の作り方>
水素を作る時にたくさんの電気を使うので、結局たくさんの二酸化炭素が出てしまう。
<水素の運び方>
水素はとても危険なので、運ぶのに手間とお金がかかる。
・・・このふたつだ。

このふたつを、どうやって解決しよう?
みんな、何かよいアイデア、思いついた?


・・・


まずは、水素の作り方。

愛知県名古屋市の名古屋工業大学。
こちらでは、人口光合成という技術を応用して、太陽の光エネルギーを使って、水素を作ることに成功した。
これならば、二酸化炭素を出さずに、水素を作ることができる。
この方法について、くわしくは、こちらの記事を見てね。

『水素の作り方~二酸化炭素を出さずにできる?』
http://rakuto-toyota.jp/e307517.html

そして、最近の新聞には、こんな記事が。

『風力で水素製造 始動』 朝日新聞

風力、つまり風のエネルギーを使って、水素を作り出す実験が始まったんだ。
まずは、風力を使って、電気を作る。
そして、その電気を使って、水素を作るというわけだ。
この方法も太陽光と同じく、二酸化炭素が出てくる心配はない。

問題は、場所。
風力発電には、大きな風車がかかせない。
そして、できることならば、いつも強い風が吹いていてほしい。

人のじゃまにならないように大きな風車を建てることができて、いつも風が吹いているところ。
そんな場所がどこにあるかというと・・・島だ。


ここで、地理クイズ。

島国日本。
島の数は、およそ6800だ。

その日本の中で、一番たくさん島がある都道府県は、どこだ?
そこには、971の島があるよ。
予想してみてね。


・・・


答えは、長崎県。

風力で水素を作る実験。
その舞台は、長崎県の五島列島にある椛島(かばしま)だ。

椛島の沖合1キロメートルの場所に、大きな風車がたてられた。
直径80メートルの、とても大きな風車だ。

この風車で作られた電気は、海底のケーブルを使って、椛島に送られる。
そして、椛島に住んでいる人たちに、電気を送りとどける。

風が強くて、電気が余るような日には、その余った電気を使って、水素を作る。
水素にしておけば、後でそれを使って電気を作り出すことができる。
電気の貯金みたいなものだね。


太陽光や風力など、自然のエネルギーを使った発電は、その日の天気によって、電気が余ったり足りなくなったりすることがある。
余った時には、その電気で水素を作る。
そして、足りない時には、その水素でふたたび電気を作る。
こうして、自然エネルギーを使った発電の、天気に左右されるという弱点を、うめることができる。
これは、すごいね。


お次は、水素の運び方について。
数日後の朝日新聞には、こんな記事も。

『運べる電気 実験開始』 朝日新聞

椛島の実験では、できあがった水素をメチルシクロヘキサンというものに変身させて保存する。
なにやら難しい名前だけど、メチルシクロヘキサンは、文房具屋さんで売っている修正液の原料になっているもの。
水素と違って安全なので、気軽に運んだり保管することができる。
そして、必要な時は、いつでも水素に戻すことができる。
なるほど、危険な水素をいったん安全なものに変身させて、保管したり運んだりするというわけだ。

椛島の実験がうまくいけば、水素を「作る」「ためる」「使う」ための技術が大きく発展することになる。
地球の未来のため、ぜひ、うまくいってほしいね。


写真は、デンマークの首都コペンハーゲンで行われている風力発電の様子。ウィキペディアより。




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