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もののしくみ研究室

2015年02月09日 06:00  学び~理科学び~社会

子どもの花粉症(その2)~そもそもの原因は?

今日は、昨日の続き。

『子どもの花粉症~身の回りがきれいすぎ?』
http://rakuto-toyota.jp/e303969.html


身の回り清潔になり?子どもの花粉症患者が増加 読売新聞

ロート薬品(やくひん)という薬を作っている会社が、花粉症のことを調査した。
その結果、花粉症にかかる子どもが増えている。

その原因のひとつとして、子ども達の身の回りが、きれいすぎることが考えられる。
身の回りがきれいすぎると、免疫力(めんえきりょく)が育たない。
だから、病気にかかりやすくなっちゃう。

一方で、花粉症が増えているのは、子どもの世界だけではない。
大人たちの中にも、花粉症で困っている人は、たくさんいる。
そして、子ども達同様、年々増え続けているんだ。

その原因として、遺伝(いでん)、自動車の排気ガスなどによる空気のよごれ、家の気密性(きみつせい)があがったことなど、いろいろなことが考えられる。
そして、もうひとつ。

これこそが、一番大きな原因だろうと思われるものがあったよ。
いったい、何だと思う?

ヒントは・・・日本の自然、そしてその自然と人とのかかわり方。


・・・


日本は、その3分の2が山地だ。
そのうえ、雨が多い。
だから、森や林がたくさんある。

では、花粉症の原因となるスギやヒノキも、昔からたくさん生えていたのかというと、そうではないらしい。
もともと、日本の森林の90パーセント近くは、広葉樹(こうようじゅ)とよばれる、平たい葉っぱをもつ植物たちだった。
スギやヒノキは、ほとんど生えていなかったんだよ。

それが、今では、日本の森の半分以上が、針葉樹(しんようじゅ)と呼ばれる、スギやヒノキの仲間になってしまった。
いったい、どうしてそんなに増えたんだろう?
みんな、想像できる?

・・・


1950年ころから1970年にかけて、日本の国は一気に豊かになった。
高度成長期(こうどせいちょうき)と呼ばれる時代だ。

豊かになった日本では、たくさんの人が家を建てようとした。
家を建てるには、木材が必要だ。
しかも、大工さんが加工しやすいものがよい。


ここで、想像タイム。

大工さんの加工しやすい木って、どんな木だと思う?
スギやヒノキは、とても加工がしやすいんだって。

他の木とくらべて、どんな特徴がある?
ちょっと、想像してみてね。


・・・


針葉樹と呼ばれるスギやヒノキ。
天に向かって、まっすぐのびる。
まっすぐだから、とても加工しやすい。

くねくねまがった木材で、家の柱やかべを作るところを想像してごらん。
とても、大変そうだよね。

しかも、針葉樹は成長が速い。
たくさんの人が木材を必要としているこの時期、スギやヒノキはとても人気があったんだ。

その結果、日本では、たくさんのスギやヒノキが、人間の手によって植樹(しょくじゅ)された。
気が付けば、日本の森林の50パーセントが針葉樹に。
もともとは20パーセントしかなかったのに、一気に増えちゃった。


最近は、外国から安い木材が輸入されるようになってきた。
こうして増えたスギやヒノキも、今ではほったらかしでのび放題なっているところもある。

さらに。
スギやヒノキは、植えられて30年もたつと、子どもを作ろうとがんばりだす。
子どもを作るためには、たくさんの花粉を、どんどん飛ばさないといけない。
1970年代に植えられた木は、今がまさにがんばり所というわけだ。
なるほど、こうして、花粉が増えたんだね。


針葉樹林の増加は、花粉症で人間を困らせるだけではない。
森の動物たちも、困らせる。

もともと日本の森林の90パーセントをしめていた広葉樹たちは、子どもを残すために、木の実をつける。
森にすむ動物たちの多くは、この木の実を食べて生きている。

ところが、針葉樹が50パーセントをしめるようになってしまった。
針葉樹は、花粉を飛ばして子どもを作るので、木の実をつける必要がない。
針葉樹が増えたことで、食べることのできる木の実が少なくなってしまった。
森の動物たちは、きっと、おなかをすかせているよね。


もともとは、広葉樹の森におおわれていた日本。
気が付けば、人の手によって、半分以上が針葉樹林に。

そして、木材が売れなくなった今、その針葉樹林はほったらかし。
ほったらかしの針葉樹林は、花粉症で人々を苦しめる。
広葉樹林のへった森では、小さな動物たちがおなかをすかせる。

針葉樹の問題、今の日本にとって、けっこう大きな問題のひとつなんじゃないかな?
みんなは、どう思う?


写真は、スギの花粉。ウィキペディアより。




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