マグロが深海魚！？

マグロやカツオ、先祖は深海魚　朝日新聞


マグロにカツオか。

おすしに、おさしみ。
かつおぶしに、かつおのたたき。
みんな、大好きな魚だよね。


マグロもカツオも、サバの仲間。
サバ科の魚だ。

サバ科の仲間の多くは、あたたかい海を回遊、つまり、旅をしながらくらしている。
陸地の近くに住むのではなく、広い広い海を、泳いで旅している。

彼らが泳ぐのは、表層域（ひょうそういき）と呼ばれる、海の中でも浅い場所。

湖や陸地の近くの海ならば、かくれる場所がたくさんある。
一方で、広い海の真ん中は、かくれる場所はまったくない。

海の深い場所ならば、人間などにつかまることなく、ゆうゆうと生きていける。
一方で、浅い場所だと、人間に見つかりやすい。

広い海の浅い場所。
魚にとっては、決して安心安全な場所ではないはずだ。

危険な表層域を回遊する魚は、そんなにいない。
およそ８５０種類。
３万種いる魚のうち、３パーセントくらいだ。
わざわざ、危険な場所でくらすこともないからね。

それでも、マグロやカツオは、今日も表層域を泳いでいる。

いったい、なんでだろう？
この謎をとくためには、何を調べればいいのかな？
みんなも、考えてみて。


・・・


学者さんは、マグロたちの進化に注目した。

大昔から、マグロたちがどのように進化してきたのか？
確かに、それを調べれば、何かヒントがありそうだよね。


ところが。
マグロたちの進化の足あとは、長い間、ずっと謎のままだった。


・・・


そこで立ち上がったのが、千葉県中央博物館をはじめとした研究チーム。

注目したのは、ゲノムと呼ばれる遺伝子（いでんし）の情報。

まずは、世界中から、いろいろな魚のゲノム情報を集める。
集めた数は、およそ１万７千種類。

それをもとに、サバ科の魚の起源や進化を調査。
５年近い月日をかけて、調査を行った。


その結果、わかったことは・・・。

マグロやサバ、タチウオなどの２３２種類の魚が、同じ祖先から進化した。

これらの魚の祖先は、タチウオのような細長い形をしており、深さ４００メートルくらいの深海にすんでいた。

なるほど。


マグロやカツオも、昔々は、深海にすんでいたんだね。
それらが進化するとちゅうで、海の浅い場所に住み着くようになったいうことだ。


さらに。

調査結果によると、この進化は、５５００万年～５０００万年前くらいの間に、一気に起こったらしい。

この頃、何か大きな事件でも起こったと思われる。
大昔の地球に起こった、大きな事件。
いったい、何だと思う？
想像してみてね。


・・・


こたえは、隕石（いんせき）。

およそ６５００万年前、メキシコという国に、巨大な隕石が落ちたんだ。
恐竜たちが絶滅したのも、この隕石が原因だといわれている。

この時、海の浅い部分にすんでいた大型の魚たちも絶滅。
そして、深海で生き延びたマグロの祖先たちが、何もいなくなった表層域にやってきて住み着いた。

これが、研究チームが想定したシナリオだ。


ちなみに、この研究の中で、マグロににているカジキなどが、実はマグロとはまったく別の仲間だということもはっきりした。
カジキは、アジやカレイの仲間に近いらしいよ。


写真は、マグロ。ウィキペディアより。
時速９０キロメートルで泳ぐんだ。
迫力満点！




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